冬に寄せ植えを作るなら、寒さに強い花を選ぶことがポイント。ガーデニング初心者でも育てやすいパンジーとビオラ、ガーデンシクラメンの3種がおすすめです。
実際に育てていて実感するのが「手に入りやすくお手入れ簡単、何よりカラフルで愛らしい」ということ。魅力や基本的な育て方、さらには簡単なワンポイントなどを紹介します。
冬のガーデニングには、育てやすくて可愛い花を
寒さに強く次々と冬に咲く花は、寒空に彩りを添えてくれます。庭がちょっとさみしいかな……と思ったら、冬のガーデニングを始めるチャンスです。
でも、なにぶん寒い季節。気温も低く、時には雪がちらつくことも。
「冬に咲く、冬に強い花って何?」「冬の花壇に植える花、雪が降っても大丈夫?」「屋外は寒いし、できればお手入れの手間がかからないものがいいけど……」など、疑問や不安要素がたくさん。
冬のガーデニングに挑戦してみようと思っても、初心者にとってはハードルの高い季節かもしれません。
でも、寒さに強く育てやすい冬の花を選べば大丈夫。ガーデニングを十分愉しむことができます。初めて冬の花を寄せ植えするなら、試してみたいのが次の3つです。
- パンジー
- ビオラ
- ガーデンシクラメン
どれもこれも、説明不要なぐらい定番の花ですよね。
共通しているのが、育てやすくて可愛いこと。お花を眺めるのは好きだけど、育てるのは苦手……と思っている方こそ、ぜひ試してみてほしい花ばかりです。
それぞれの花について、魅力や育てる上での基本情報、そしてワンポイントアドバイスをお伝えします。
冬のガーデニングにおすすめの花(1)パンジー
まずはパンジーについて。一つの株に次々と花をつけ、冬から春まで咲くおなじみの花です。
パンジーはヨーロッパ原産で、元はと言えば野生のスミレを交配させて生まれたのだとか。そのため「三色スミレ」という別名でも知られています。
1. パンジーの魅力
パンジーの魅力は、鮮やかで豊富な花色、そしてふわりと大きく開いた花びらです。
パンジーには紫やオレンジ、黄色など多彩な色があり、冬の庭を華やかにしてくれます。見慣れた原色のパンジーだけではなく、最近では淡い色合いのパンジーや、多色咲きのものも。
最近では、華やかなフリル咲きのパンジーも人気です。
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フリル咲きパンジーの魅力は、幾重にも重なる優雅な花姿。ならではの気品と美しさが、冬の庭を華やかにしてくれます。
ちなみにパンジーは草丈が高くなりにくいので、パンジー同士組み合わせやすいのも魅力です。色の違うパンジーを寄せ植えにするだけでも、とても豪華な冬の花壇が完成します。
ただし、異なる色をセンス良く合わせるのは、なかなか至難の業。まとまりのない寄せ植えになる可能性もあります。
パンジーの寄せ植えに初めて挑戦するなら、次の組み合わせを覚えておくと便利です。
- 同系色でまとめる
- 同じ色でグラデーションをつける
- シンプルに葉物と組み合わせる
一つずつ詳しく見てみましょう。
組み合わせ1:同系色でまとめる
まずは「同系色でまとめる」という組み合わせです。「紫と青」「黄色とオレンジ」等の組み合わせがありますね。
同じテイストなので、パンジーの寄せ植え初心者でも失敗しない組み合わせです。
組み合わせ2:同じ色でグラデーションをつける
次は「同じ色でグラデーションをつける」という組み合わせです。たとえば「濃いピンクと淡いピンク」「濃い紫とほんのり紫がかった白」などの組み合わせがありますね。
同じ色調なので、安定感がある組み合わせです。
組み合わせ3:シンプルに葉物と組み合わせる
もう一つが、「シンプルに葉物と組み合わせる」という組み合わせです。
もし色合わせがむずかしそうと思ったら、一種類のパンジーと葉物を合わせるのも一つの手。たとえばシックな花色のパンジーと葉物を組み合わせてみましょう。アンティーク調の鉢を選べば、洗練された落ち着きある寄せ植えになります。
冬の寄せ植えなら、銀白色の葉色が寒空に生えるシルバーリーフもおすすめです。シルバーレースやシロタエギクなど、園芸店に行って、パンジーに合うシルバーリーフを探してあげてくださいね。
このように、組み合わせるコツさえ知っておけば、パンジーは寄せ植えに使いやすい冬の花です。冬の寄せ植えを好みの雰囲気に仕上げたいけど、できるかな……と不安なら、まずはパンジーを試してみてくださいね。
2. パンジーの基本情報
パンジー苗の植え付けに適しているのは、10月下旬以降です。10月下旬から5月にかけて、次々と花を咲かせてくれます。
園芸店には10月になるとポット苗が並ぶようになりますが、気温の高い時期から育てると徒長したり、蒸れたりするため、10月下旬から11月になってから購入して植えつけるのがよいでしょう。
水やりは、さほど神経質になる必要はありません。
庭植えの場合は、自然の雨任せで基本的に大丈夫です。鉢植えにしている場合は、表面が乾いたらたっぷり水をかけ、土を湿らせてあげてください。
冬のガーデニングにおすすめの花(2)ビオラ
続いてビオラについて。ビオラもパンジーと同じくスミレの仲間、冬花の代表格です。
ビオラはいわば、パンジーの小型版。明確な定義はありませんが、花びらの直径5cm以上のものをパンジー、それ以下のものをビオラと区別するのが一般的なのだそうです。
1. ビオラの魅力
ビオラの魅力は、何といっても小さく可憐な花姿です。うつむき加減に咲く様子も控え目で、その繊細な様子に思わず見入ってしまいます。
一つの株にたくさん蕾をつけ、冬の間中どんどん花を咲かせてくれるのも魅力の一つ。小型ながら、たくさん咲くと豪華な光景です。
最近では、豊かな花色を持つビオラや、柔らかな質感が魅力のビオラなど、さまざまな品種が登場しています。
たとえば、こちらの「エッグタルト」。
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ふりふりの花びらが、寄せ植えの中で主役として活躍します。エッグタルトの甘い香りが漂ってきそうな、黄色も可愛いですよね!
その他、アンティークカラーが魅力のこんな品種も登場しています。
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なお、ビオラを寄せ植えの主役にするなら、相性の良いのがスイートアリッサムです。
白色の小花が集まって咲くスイートアリッサムと小柄なビオラを寄せ植えにすると、可憐な冬の寄せ植えが完成します。
ビオラとスイートアリッサムは、開花時期が同じ。寄せ植えにするには格好のパートナーです。
何よりビオラの鮮やかな花色の中に白が入ると、それだけで変化が生まれ、豪華になります。うまく活用して、冬のガーデニングを楽しみたいものですね。
アリッサムについては、別記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
2. ビオラの基本情報
ビオラ苗の植え付けに適しているのは、パンジーとおなじく10月下旬以降です。10月下旬から5月にかけて長く花を愉しむことができます。
水やりもパンジーと同様です。鉢植えしている場合でも、「表面が乾いていたら水をたっぷりやる」というスタンスで問題ありません。
冬のガーデニングにおすすめの花(3)ガーデンシクラメン
続いてガーデンシクラメンについて。ガーデンシクラメンは、寒さに強い原種のシクラメンを品種改良して作られた、いわばガーデニング用の小型シクラメンです。
株全体も花自体もコンパクトになっていて、愛らしい姿です。
ミニシクラメンと呼ばれるものもありますが、実は別物。ミニシクラメンはあくまで、花を小さく仕立てたもの。ガーデンシクラメンとは異なります。
冬のガーデニングに使うなら、「ガーデンシクラメン」と書かれたものを用意してくださいね。
1. ガーデンシクラメンの魅力
ガーデンシクラメンの魅力は、何といっても寒さに強く、シクラメンを屋外で楽しめるということです。
従来のシクラメンは寒さに弱く、室内で鉢植えにして楽しむことしかできませんでした。ところがガーデンシクラメンであれば、真冬の気温にも耐えることができます。
肩を寄せ合うように小型の花が咲く様子は愛らしく、赤やピンクなどの花色が、冬の寒空に華やかさを添えてくれます。
最近では、「雪うさぎ」という名の可愛いシクラメンも登場するなど、多彩な花姿も魅力ですね。白い花びらを染める、ピンク色。たしかに、うさぎの耳がぴょんと立っているようです。
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シクラメンといえば、寄せ植えで合わせやすいのがゴールドクレストや葉牡丹です。ゴールドクレストと合わせればクリスマスらしい華やぎが生まれ、葉牡丹と合わせれば新春の厳かな雰囲気が漂います。
葉牡丹と合わせる場合、洋風の鉢を選べば、和洋折衷の寄せ植えになり、洋風のお庭ともよく合います。
ガーデニングの魅力の一つは、季節が身近に感じられることです。折々のシンボルをさりげなく取り入れながら、四季に寄り添う暮らしをしたいものですね
なお、冬の寄せ植えで活躍する葉牡丹については、別記事でも紹介しています。葉牡丹を寄せ植えに使うなら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2. ガーデンシクラメンの基本情報
ガーデンシクラメンは10月から3月にかけて開花します。気温がぐっと下がる11月には、植え付けが終わっているのが理想です。
水やりは、パンジーやビオラと同様です。鉢の表面が乾いていたら、水をたっぷりあげましょう。
冬のガーデニングがうまくいく3つのコツ!
今回紹介したパンジーとビオラ、ガーデンシクラメンは、初心者でも育てやすい花です。冬のガーデニングを始めたいと思ったら、ぜひ園芸店に行って気に入るものを探してみてください。
ただしお手入れが簡単とはいえ、これだけは……というポイントが3つあります。
- 花がらをこまめに摘んであげる
- 日光浴で、ひょひょろ徒長するのを防ぐ
- ナメクジ対策はしっかりと
それぞれについて見てみましょう。
1. 花がらをこまめに摘んであげる
花がらとは、開花後も散らずに残っている“枯れた花”のことです。次々と花を咲かせるためにも、花がらはこまめに摘んであげましょう。
花がらを放置していると、見た目が悪いだけではなく、種を作るために栄養が使われて、次の花が咲きづらくなってしまいます。
次の花に栄養を集中させるためにも、咲き終えた花はこまめに摘み取ってあげてください。目安は「1日に1回」です。
毎日摘むといっても、そう手間はかかりません。たとえば朝摘んであげると決めておくと、習慣になって無理なく続けられます。
何より花がらを摘むということは、至近距離で花の様子を観察するということ。葉っぱが増えていることに気づいたり、新たな蕾の存在に気づいたり、うれしい発見に心が温かくなります。
ちなみに、摘む位置は花の根元です。手で切ってもハサミで切っても構いませんが、キレイに切るにはハサミがベターです。
お手入れも楽しみのひとときにするために、お気に入りの園芸用ハサミが一本あるといいですね。
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2. 日光浴で、ひょろひょろ徒長するのを防ぐ
パンジーやビオラ、ガーデンシクラメンは、日照不足になると「徒長」してしまうことがあります。なるべくしっかりと日光に当ててあげましょう。
徒長とは、茎や枝が必要以上に間延びしてしまうことを言います。
茎が長くなるだけではなく、斜めにひょろりと伸びたり、茎が細く弱々しくなってしまったり。株の見た目が乱れてしまって、だらしない印象を与えます。
間隔を詰めて植えることで、日照不足になることもあります。きちんと日光が当たっているか、見てあげてくださいね。
3. ナメクジ対策はしっかりと
パンジーとビオラは、ナメクジがつきやすい花です。対策をしっかり行いましょう。
ナメクジの活動時間帯は夜。朝起きてみるとせっかく咲いたパンジーが食べられて、花びらがギザギザに……という悲しい経験を何度も繰り返しました。
すべてを食べつくす勢いで、これから咲こうとしているツボミまで被害にあったことも。パンジーやビオラを育てるなら、ナメクジ対策だけは必須です。
とはいえ、ナメクジが嫌いな塩をまくことは絶対に避けましょう。花にまで悪影響を及ぼしてしまいます。
天然の材料で対策するなら「コーヒーかすを土の上に巻く」という方法が有名です。
コーヒーかすとは、使用後のコーヒー豆のこと。よく乾燥させて土の上にまけば、ナメクジ除けになると言われています。
実は私も試している途中ですが、あまり効果を実感できず、相変わらず被害にあっています。
ナメクジ対策は、ガーデニングにはつきものの悩み。ガーデニング用品として、ナメクジが嫌がる成分を含んだ忌避剤や、退治するための駆除剤も売られています。
たとえばナメクジカダン 8個入は、ナメクジを集めて退治する駆除剤です。
設置は「2平方メートルあたり1個」とのこと。それなりに広いエリアをカバーするようなので、効果が期待できそうですね。
まずはコーヒーかすを試してみたものの効果が実感できていないので、化学の力に頼るのも一つの手段……と考えています。
まとめ
冬の寄せ植えでは、寒さに強いパンジーとビオラ、ガーデンシクラメンが活躍します。どの花も10月ごろから園芸店に並び始めるので、ぜひチェックしてみてください。
ちなみにガーデンシクラメンは、年が明けると園芸店で見かけることが減ります。その代わり、春まで咲き続けるプリムラがたくさん登場します。
プリムラの種類については、別記事で紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。