冬空に美しく映えるカラーリーフ、葉牡丹(ハボタン)。最近では葉牡丹の種類も増え、ミニサイズの愛らしい葉牡丹や、豪華なフリルをもつ葉牡丹なども。お正月はもちろん、冬の寄せ植えの主役として活躍してくれます。
その美しさをシンプルに引き出すなら、葉牡丹の寄せ植えの作り方は「葉牡丹×寒さに強い花」「葉牡丹×シルバーリーフ」「葉牡丹どうし」の3つがおすすめです。葉牡丹の種類や、葉牡丹の寄せ植えの作り方のコツも調べました。
葉牡丹は冬の寄せ植えにピッタリ!
葉姿が印象的な葉牡丹は、キャベツの仲間であるケールを観賞用に改良したものです。
葉牡丹の魅力は、冬空に生える美しい色合いです。くっきりとした白や柔らかなクリーム色、穏やかなピンク色や、深みのある紫……。
色づいた葉の美しさには、冬の寄せ植えに盛り込みたくなる魅力があります。
最近では品種改良が進み、葉牡丹の種類が増えました。ミニサイズの葉牡丹は、特に寄せ植えに使いやすい種類です。
従来は葉牡丹というと、「お正月」という和のイメージでした。でも最近では葉牡丹の種類が増えたおかげで、洋テイストの冬の寄せ植えを作りたいときにも活躍する名役者になっています。
葉牡丹の種類といえば、モカやブラックといった色合いをもつ葉牡丹などが登場しているのも、近年の特徴です。深みのある色合いは、冬の寄せ植えをシックな雰囲気に仕上げてくれます。
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葉牡丹は冬の冷たい空気を華やかに彩って、“冬の寄せ植えらしさ”を出してくれる植物です。葉牡丹の寄せ植えは、クリスマスやお正月などの季節感も演出してくれます。また葉牡丹の寄せ植えは、リースやハンギングバスケットでも可愛く仕上がります。
葉牡丹をうまく冬の寄せ植えに取り入れて、葉の色や形を存分に愉しみたいものですね。
葉牡丹の種類
葉牡丹の寄せ植えの作り方を知る前に、まずは代表的な葉牡丹の種類を学んでおきましょう。園芸店に探しに行く前に大まかに種類をつかんでおくと、お気に入りを見つけやすくなります。
日本における葉牡丹の歴史は意外と長く、伝わったのは江戸時代。それ以来、品種改良が進みさまざまなものが登場しています。いかに葉牡丹が愛されてきたのかが分かりますね。
主な葉牡丹の種類として挙げられるのが、次の3つです。
- 丸葉系
- 縮緬(ちりめん)系
- 切れ葉系
それぞれについて、詳しく見てみましょう。
1. 丸葉系
丸葉系はその名の通り、丸い葉をもつ葉牡丹です。
江戸時代から育てられてきたのが、こちらの丸葉系です。丸い葉が整然と重なるさまは、まるで花のようです。
たとえば、高さに変化をつけて植えれば、まるで葉牡丹のブーケのようになります。
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丸葉系は、やさしい曲線や柔らかな葉の重なりが魅力です。冬の寄せ植えを愛らしい雰囲気にまとめたいなら、丸葉系がおすすめです。
2. 縮緬(ちりめん)系
ちりめん系が登場したのは明治時代です。葉の縁がちりめんのように細かく縮れているのが、ちりめん系の特徴です。
縁に変化があるため、上品なボリューム感があり、繊細な表情が出るのがちりめん系の魅力です。冬の寄せ植えに動きを出したい場合に適しています。
ちりめん系の葉牡丹は、スイートアリッサムのようなふんわりと愛らしい白い小花ともよく合います。ぜひうまく組み合わせて、軽やかな冬の寄せ植えを作ってみてください。
3. 切れ葉系
切れ葉系は、1977年に登場した品種です。その名の通り、葉に切れ込みが入っているのが切れ葉系の特徴です。寄せ植えにアクセントを添えたい場合は、切れ葉系をうまく使いましょう。
大きく切れ目が入った葉牡丹もありますが、かなり個性的な印象になります。まず冬の寄せ植えに葉牡丹を使ってみるなら、浅めの切れ込みが入った品種がおすすめです。
この「白さんご」は切れ込みが控えめな葉牡丹です。印象的ながら、それでいて主張しすぎない存在感が寄せ植えを洗練させてくれます。
葉牡丹の寄せ植えの作り方とコツ
葉牡丹で寄せ植えを作るなら、葉牡丹の美しさを引き立てる花や葉物を選びたいもの。シンプルに良さを引き出すなら、葉牡丹の寄せ植えの作り方は、大きく分けて次の3つです。
- 葉牡丹×寒さに強い花
- 葉牡丹×シルバーリーフ
- 葉牡丹どうし
それぞれについて、葉牡丹で寄せ植えを作るコツと共に見てみましょう。
1. 葉牡丹×寒さに強い花
葉牡丹を冬の寄せ植えに使うなら、お相手にも寒さに強い花を選びましょう。たとえば冬の寄せ植えの主役であるパンジーとビオラ、そしてガーデンシクラメンは、どれも葉牡丹とよく合います。
葉牡丹を使った寄せ植えのコツとして覚えておきたいのが、「色を合わせる」ということです。
たとえば、紫のグラデーションを持つ葉牡丹とパンジーを合わせる場合。紫の色調をもつパンジーやビオラと合わせれば統一感が出て、上品で洗練された冬の寄せ植えになりますね。
『人気の葉牡丹シリーズ』まるでお花のケーキ!?ハボタンの寄せ植え
葉牡丹の中に含まれている色調は何なのかを見て、うまく生かしてあげましょう。
それぞれの魅力や育て方などは、別記事で紹介しています。「葉牡丹とパンジーを合わせたら華やかになりそう」「ビオラと合わせてみたいな」と思ったら、まずはぜひ下調べてしてみてください。
2. 葉牡丹×シルバーリーフ
葉牡丹を冬の寄せ植えに使うなら、シルバーリーフと合わせると、洗練された世界観が表現できます。
シルバーリーフとは、銀白色の葉をもつ植物の総称です。どんな色とも馴染みが良く、個性的な葉をもつシルバーリーフは、冬の寄せ植えを洗練させてくれるありがたい存在です。
冬の寄せ植えに使うなら、繊細で清楚な印象の「シルバーレース」や、控えめながらも存在感のある「シロタエギク」などは、手に入りやすいシルバーリーフです。
その他、“子羊の耳”との名前通り、楕円形の葉と白く愛らしい葉姿の「ラムズイヤー」もおすすめです。
葉牡丹とシルバーリーフの寄せ植えを作るコツとして覚えておきたいのが、「葉の形を合わせる」ということです。
たとえば、丸葉系の葉牡丹を使うなら、シロタエギクのように丸みを帯び、葉の形に変化があるシルバーリーフを。全体的に愛らしい雰囲気になり、冬の寄せ植えにまとまりが出ます。
シルバーリーフについては、別記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にして、葉牡丹とうまく合わせてみてくださいね。
3. 葉牡丹どうし
葉牡丹を冬の寄せ植えに使うなら、バリエーション豊かな葉牡丹どうしを合わせるという方法もあります。
葉牡丹は葉の色も形も多種多様。変化に富んでいて、葉牡丹だけでも存在感のある寄せ植えとして成り立ちます。
「寄せ植えに葉牡丹を使ってみたいけれど、どんな花と合わせよう……」と思ったら、ぜひ葉牡丹だけの寄せ植えを試してみてください。
葉牡丹どうしを寄せ植えに使うなら、コツは「色もしくは形を合わせる」ということです。
たとえば「色」を合わせる場合。色を絞る分、形で変化をつけます。仮に「紫系」と色を決めたなら、紫色を帯びた葉牡丹を集めましょう。
丸葉系やちりめん系など異なる葉形をもつ葉牡丹を合わせると、動きがあり、それでいて色味に統一感のある美しい寄せ植えになります。
一方、「形」を合わせる場合。たとえばちりめん系の葉牡丹で寄せ植えを作るなら、色の異なる葉牡丹を集めましょう。
たとえば、淡いピンクの葉牡丹と濃いピンクの葉ボタンを合わせて、グラデーションを作ってみる。もしくは、柔らかなクリーム色の葉牡丹と穏やかなピンク色を帯びた葉牡丹のように、優しい色味で統一してみる……。
葉の形が似ていれば、色の変化が繊細に感じられる寄せ植えになります。また、真ん中を少し高めにすると、まるで“葉牡丹のブーケ”のようになって、豪華な寄せ植えになります。
葉牡丹の寄せ植えはいつまで?
ちなみに、葉牡丹の寄せ植えはいつまで愉しめるのでしょうか?
葉牡丹自体は丈夫なため、冬を越した後も元気に育ちます。ただしトウが立ち、いずれは菜の花のような花が咲きます。
つまり、最初とはまったく異なる姿になるということです。
このように菜の花のような花が咲くのは、もちろん最終形。いきなり形が崩れるのではなく、葉が開いたりトウが立ったりしながら、徐々に変化していきます。
たとえば我が家の葉牡丹の場合。12月に寄せ植えにした葉牡丹は、1月下旬にはこのような姿になっています。
元はといえば、ぐっと閉じるようにコンパクトにまとまっていましたが、1か月後には葉が開き始めていますね。
ただし花のような葉姿も美しいので、クリーム色がかったプリムラジュリアンやシルバーリーフなどと合わせて、まだしばらく愉しめそうです。
また、11月に購入した他の葉牡丹の鉢植えは、1月下旬にはこうなりました。
こちらは花茎がぐっと伸びて、その上に葉牡丹がのっているかのようですね。
花茎の下で切り戻しをすれば脇芽が伸び、この新芽の先に新しい葉牡丹が作られます。くねくねと伸びた先にできた葉牡丹の様子を表して「踊り葉牡丹」という呼び名もあります。
踊り葉牡丹にも風情がありますが、最初に作った寄せ植えのデザインとはまったく異なってしまいます。踊り葉牡丹を愉しむのではなければ、「葉牡丹の寄せ植えは春まで」となります。
冬には冬の花、春には春の花。四季折々に美しく咲く花を愛でながら、ガーデニングを愉しみたいものですね。
なお葉牡丹は、ナメクジがつきやすい植物です。春まで美しい葉姿を愉しむためにも、フマキラー ナメクジカダン誘引殺虫粒剤 250gなどを土にまいておくと安心です。
まとめ
古くは江戸時代から愛されてきた葉牡丹。品種改良が進んで葉牡丹の種類も増え、冬の寄せ植えに欠かせない存在になっています。パンジーやビオラ、ガーデンシクラメンの他、シルバーリーフともよく合います。
葉牡丹の持ち味は、何と言っても色や葉の形です。合わせる花や葉と色形を合わせながら、その魅力を存分に冬空で愉しみましょう。