ハイビスカスは真夏がよく似合うトロピカルな花……のはずなのに、「花が咲かない」「せっかくついたつぼみが、開花寸前にぽとりと落ちてしまう」とお悩みの方は意外と多いようです。
ハイビスカスが咲かない、蕾が落ちるといった場合、30度を超える猛暑が原因かもしれません。その他、水やりや肥料など、主な原因を5つ紹介します。
ハイビスカスの花が咲かない原因(1)暑すぎる
ハイビスカスというと、南国の花のイメージですね。“暑くなればなるほど元気になる”イメージがありませんか?私はそう思っていました……。
ところがよく調べてみると、意外な事実が発覚したのです。
たしかにハイビスカスは、できるだけ日当たりのいい場所で育てることが大切。ただし意外なことに、暑すぎるのは苦手。30度以上になると花が咲きにくくなるのです。
暑すぎることが原因の場合、次の対策を試してみてください。
◆鉢植えを移動する
気温が30度を超えるときは、鉢植えを涼しい場所に移動させましょう。
たとえば、
- 午前中だけ日が当たる場所
- 明るい日陰
などが理想です。
特に、大輪の花を咲かせるハワイアン系は暑さが苦手。ハイビスカスの花が咲かないなら、夏バテのサインかもしれません。涼しい場所に移動してみることをおすすめします。
◆コンクリートからの照り返しを防ぐ
暑いときは、照り返しにも注意してください。コンクリートやタイルの上に、直接鉢を置いていませんか?
暑いときは照り返しで鉢の中が高温になり、ハイビスカスが弱ってしまいます。鉢植えは直接床に置かず、なるべく地面から離してあげることが大切です。
……というのは、園芸店のスタッフさんからのアドバイス。咲かないことを相談したところ、教えてくださいました。
フラワースタンドなどを使って、鉢を一段高くしてあげるのもいいですね!
ハイビスカスの花が咲かない原因(2)日中の水やり
真夏の水やりは重要です。土が乾いたらたっぷりと水をあげる……ことは大事ですが、日中に水やりしていませんか?
日中の水やりは、“お湯やり”になってしまうかもしれません。ハイビスカスに水やりするなら、朝もしくは夕方の涼しい時間帯です。
なぜ日中を避けるかというと、鉢の中が高温になっているため。水やりをしているつもりが、根に届くときには“お湯”になっている可能性があります。根にお湯がかかったら、根が弱ってしまいますよね。
また、葉に水がついたまま直射日光を浴びると“葉焼け”を起こす原因にもなります。水やりは必ず、朝もしくは夕方にしてくださいね。
ハイビスカスの花が咲かない原因(3)肥料切れ
ハイビスカスは肥料が大好きです。ハイビスカスを元気に育てるには、肥料が欠かせません。肥料切れで、ハイビスカスがスタミナ不足になっていませんか?
特に開花期の5月から10月は、肥料を欠かさないようにしましょう。花が咲かないなら、もしかすると肥料切れかもしれません。次のポイントを意識してくださいね。
◆緩効性の肥料をやや多めに
ハイビスカスの肥料としては、ゆっくりと効く緩効性の固形肥料を用意しましょう。
ハイビスカスは肥料が大好きですから、やや多めの量が目安です。ただし暑すぎて弱っているときは、肥料が逆効果になることもあります。状態を見極めて使ってあげてくださいね。
◆液体肥料や活力剤も!
シーズンを迎えると、ハイビスカスは毎日のように花を咲かせます。体力を使いますから、液体肥料や活力剤も併用するといいでしょう。
最近では、100円ショップでも活力剤を見かけますが、やはり安心の品質なのが「ハイポネックス」の活力剤です。
アンプルだと土に挿すだけなので、とても簡単。手軽に使えて重宝します。
ハイビスカスが咲かない原因(4)種に養分をとられている
ハイビスカスの花が咲かないなら、開花後の花がら摘みを徹底してみてください。もしかすると、種を作るために養分がとられているのかもしれません。
たしかに咲き終わった花は閉じ、自然にぽとりと落ちます。ただし、そのままにしていると種をつくることに養分がまわり、花が咲きにくくなってしまうのです。
ハイビスカスの花がら摘みには、ちょっとしたコツがあります。といっても簡単。ガクのやや下にある線で、ぽきっと折りましょう。
ガクの数mm下を見てみてください。すーっと線が走っているのが分かるはずです(画像内、赤い←が指している箇所)。
この線を曲げるつもりで力をかけてください。面白いほど簡単にぽきっと折ることができ、花がら摘みが愉しくなります。
ハイビスカスの花が咲かない原因(5)根詰まり
花が咲かないなら、根詰まりの可能性もあります。真夏の厳しい環境でなければ、“植え替え”を試すのも有効です。
というのも、ハイビスカスの鉢植えを購入すると大抵の場合、鉢が小さいため。ひと回り大きい鉢に植え替えることで根が伸びやすくなり、水分を花へと届けやすくなります。
鉢が小さいままだと、根詰まりを起こしてしまいます。窮屈な状態では根が弱り、水分や養分をうまく吸収できないことに……。
「花が咲かない」「葉が黄色く枯れてしまう」などの症状があるなら、根詰まりのサインかもしれません。きれいな花を咲かせるためにも、大きめの鉢に植え替えましょう。
ただし植え替えは、ハイビスカスの体力を消耗します。
- 真夏になる前に植え替える
- 植え替えたら数日間は、半日陰で休ませる
といったポイントを意識してください。根詰まり症状と植え替えのコツについては、別記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
工夫すればハイビスカスは冬越しが可能です。ハイビスカスの冬越しのポイントを見てみましょう。
ハイビスカスの冬越し(1)秋以降は、室内に取り込む
ハイビスカスは寒さが苦手です。秋の気配が漂い始めたら、室内に取り込んであげましょう。
日本が寒さで包まれる時期、室内で温度管理をしてハイビスカスを育てることが、冬越しの大きなポイントです。
◆目安は最低気温が「10℃」を切る頃
地域差もありますが、10月末までにはハイビスカスの鉢を室内に取り込みましょう。気温は「最低気温が10℃を切る」頃が目安です。
◆日当たりの良い窓辺が理想
ハイビスカスを冬越しさせるなら、なるべく温かい場所が理想です。
ハイビスカスを室内に取り込むなら、窓辺がいいでしょう。日当たりのよい窓辺に置いてあげてくださいね。
◆寒すぎる夜は、厚手のカーテンなどで対策を!
真冬になると、ガラス越しに冷気が伝わり、窓辺の気温がぐっと下がります。夜間は厚手のカーテンを引く、ハイビスカスを室内の中央に移動させるなど、冷気を避けてあげましょう。
ハイビスカスの冬越し(2)室内に入れる……その前に、強剪定を!
ハイビスカスを室内に入れる前に、ハイビスカスの剪定を行いましょう。室内に取り入れる10月は、ハイビスカスの剪定にとっても絶好のタイミングです。
◆高さの目安は「全体の1/2~1/3」
ハイビスカスは、短く切り詰める強剪定が可能です。全体の1/2~1/3を目安に、ばっさりとカットして構いません。
成長期に強剪定をすると、長期間開花しなくなってしまいます。花が終わった後、10月から11月を目安に剪定してくださいね。
◆切るときは必ず葉を数枚残す
剪定するときは、葉を数枚残すようにしてください。葉がなくなってしまうと生育が悪くなり、枯れてしまうケースもあります。くれぐれも気をつけましょう。
まとめ
ハイビスカスの花が咲かない、蕾が落ちる……といった場合、ハイビスカスにとって心地よい環境ではないということです。暑さ対策を行って、水やりの時間も注意してくださいね。
ハイビスカスと言えば夏のイメージがありますが、実は春から秋まで長く咲き、工夫すれば冬越しも可能です。ハイビスカスの花をたくさん咲かせて、夏らしい光景を愉しみましょう!