「ユキヤナギに似た花、これは何?」と思ったら、シジミバナかもしれません。白い花を枝いっぱいに咲かせる様子は瓜二つ。遠目に見ると見分けがつかないほどです。
でも、近づいてみてください。花びらの枚数や葉の形などを見ると、違いがはっきりわかります。ユキヤナギに似た花、シジミバナとは?特徴や違いをお伝えします。
ユキヤナギとシジミバナは瓜二つ!
まずはこちらがユキヤナギ(雪柳)。名前の通り、柳が雪で覆われたかのような咲きぶりです。
そしてこちらがシジミバナ。見紛うほどそっくりだと思いませんか?
どちらも春に白い花をたっぷりと咲かせ、1~2mほどと高さも同じ。それもそのはず、どちらも「バラ科シモツケ属」の仲間です。
しかもユキヤナギとシジミバナ、見かける場所も似ています。どちらも公園や緑地、植物園などでおなじみの植物。
比べれば比べるほど、何から何までそっくり……でも、ちゃんと違いはあるのです。見分けるコツは近づいて見てみるということです。
ユキヤナギとシジミバナの違い(1)花びらの枚数
ユキヤナギとシジミバナの見分け方、最も簡単な方法は「花びらの枚数」を見ること。
- ユキヤナギ・・・・・・・・5枚
- シジミバナ・・・・・・・・8枚
ユキヤナギの花びらは5枚、一重咲きです。
そしてシジミバナは8枚。そう、八重咲きなんです。
ちなみに「シジミバナ」という印象的な名前は、花の様子がシジミの身に似ていることに由来するのだとか。
漢字で書くと「蜆花」。花の中心がくぼんでいることから、シジミバナには「靨花」(エクボバナ)という別名もあるそうです。
ユキヤナギとシジミバナの違い(2)花柄の長さ
次は花柄の長さ。「はながら」ではなく「かへい」と読みます。
花柄とは、茎から伸び、花をつける柄の部分のこと。「花梗」(かこう)という呼び方もあります。
- ユキヤナギ・・・・・・・・短い
- シジミバナ・・・・・・・・長い
ユキヤナギの花柄は短く、さほど目立ちません。
シジミバナはどうでしょうか?こんなにも長いのです!
細い花柄が、めいめい思うように伸びています。堂々と上を向いたり、控えめに見上げたり。春が来た喜びを表現しているかのようです。
ユキヤナギとシジミバナの違い(3)葉の形
次は葉の形です。
- ユキヤナギ・・・・・・・・細長い
- シジミバナ・・・・・・・・丸みのある卵形
やや分かりにくいかもしれませんが、ユキヤナギは細長い葉をしています。
一方のシジミバナは、丸みのある卵形です。
ちなみにどちらも秋になると色付いて、見事な秋色に。
花の時期以外は、ユキヤナギやシジミバナとは分かりにくいかもしれません。でもこうして春の白い花、初夏の新緑、そして秋の紅葉と、季節ごとに違った愉しみがあるのも魅力ですね。
ユキヤナギとシジミバナの違い(4)枝の伸び方
枝の伸び方も違います。
- ユキヤナギ・・・・・・・・枝垂れる
- シジミバナ・・・・・・・・上に伸びていく
ユキヤナギといえば、花の重みで枝垂れる姿が魅力的です。弓のように柔らかくしなる姿は優美。名前の通り、雪に覆われた柳のようです。
シジミバナは枝が垂れ下がりません。
ややアーチ状になりながら上に伸びていくのです。
ユキヤナギとシジミバナの違い(5)咲く時期
咲く時期も少しだけ違います。
- ユキヤナギ・・・・・・・・3月~4月
- シジミバナ・・・・・・・・4月~5月
ユキヤナギの花期は3月~4月。桜の時期と重なります。純白の雪柳と、ほんのりピンクを思わせる桜の組み合わせ。春の到来に心躍る光景です。
そしてシジミバナの花期は4月~5月。春の気配が濃くなり、初夏へと移り行く季節です。
ユキヤナギの花びらが、優美にはらはらと舞い落ちる頃、シジミバナが咲き始めます。まるでバトンタッチするかのよう。美しき白のリレーです。
まとめ
ユキヤナギに似た花、シジミバナ。遠くから見るとよく似ているけれど、近くで見ると違いが分かります。
春が来たことを知らせてくれるユキヤナギと、バトンを受けて咲くシジミバナ。庭に両方植えておくと、長く愛らしい白花が愉しめそうですね。
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