春の足音と共に、白い花を咲かせるハクモクレン(白木蓮)とコブシ。どちらもモクレン科モクレン属、よく似ています。
「モクレン?それともコブシ?」と迷ったら、花の向きや咲き方などを見るのがポイント。コブシとモクレン(白木蓮)の違いを紹介します。
※モクレンというと通常、紫色の花を咲かせる「紫木蓮」を意味します。
※ただし本記事ではこれより先、便宜上「モクレン」は「白木蓮」を指すこととします。
コブシとモクレンの違い(1)花の咲き方
コブシとモクレンの違い、分かりやすいのが「花の咲き方」です。
- コブシ・・・・・・・完全に開く
- モクレン・・・・・日が当たると開き、暗くなると閉じる
コブシの花は完全に開き、横に広がったような形になります。
一方でモクレンの花は、日が当たると開きますが、暗くなると閉じてしまいます。ただし開くといっても、完全には開きません。
大きく開くのではなく、ややすぼんだ姿が印象的です。
コブシとモクレンの違い(2)花の向き
コブシとモクレンの違いとして「花の向き」も挙げられます。
- コブシ・・・・・・・あちこち向いて咲く
- モクレン・・・・・上向きに咲く
コブシは、横向きの花があれば上向きの花も。枝いっぱいに花をつけ、色々な方を向いて咲いているように見えます。
一方でモクレンは上向き。大空を目指すかのように咲きます。
モクレンの咲きぶりを見ていると、まるで白く繊細なお椀が並んでいるかのよう。思わず手ですっぽり包みたくなります。
コブシとモクレンの違い(3)花の厚み
コブシとモクレンの違い、ほかに「花の厚み」も挙げられます。
- コブシ・・・・・・・薄い
- モクレン・・・・・肉厚
コブシの花びらは薄め。ひらひらとした花びらがとても華奢。光に透ける様子も可憐です。
対してモクレンは厚みがあります。
しかも大ぶりなので見ごたえ十分。春先の青空を背景に、堂々たる存在感です。
コブシとモクレンの違い(4)花びら(に見えるものの)の数
コブシとモクレンの違い、次は「花びら(に見えるものの)の数」です。
- コブシ・・・・・・・6枚
- モクレン・・・・・9枚(がく片も含めて)
コブシの花びらは6枚です。
花びらの下に緑色のものがありますが、これは「がく片」です。
一方のモクレン。本当は6枚ですが、9枚あるように見えます。
というのも、モクレンのがく片が白いため、花びらのように見えるのです。
実際にはどちらも6枚ですが、「花びらが9枚あるように見える」場合はモクレンでしょう。
コブシとモクレンの違い(5)葉が出る時期
コブシとモクレンの見分け方として、「葉が出る時期」も覚えておくと便利です。
- コブシ・・・・・・・花期に葉がある
- モクレン・・・・・花が終わってから
モクレンは、花の時期には葉がついていません。咲き終わってから葉を出します。
ちなみに葉は大きく、8~15cm。卵型をしているのが特徴です。
一方、コブシは花期に葉がついています。花の付け根部分を見ると、小さな葉が一枚あるのが分かるはず。
花期に「花のみ」ならモクレン、「花に小さな葉がついている」ならコブシということです。
コブシとモクレンの違い(6)花の大きさ
コブシとモクレンの違いには、「花の大きさ」もあります。
- コブシ・・・・・・・やや小ぶり、4~5cm
- モクレン・・・・・大きめ、8~10cm
コブシは花びらが薄く、花のサイズも小さめ。可憐な雰囲気を漂わせます。
対してモクレンは花びらが肉厚な上、花も大ぶり。どっしりとした、それでいて清楚な雰囲気です。
コブシとモクレンの違い(7)開花時期
コブシとモクレンの違い、最後は「開花時期」です。
- コブシ・・・・・・・3~5月
- モクレン・・・・・3~4月
地域によって異なりますが、モクレンの花期は3月から4月、コブシは3月から5月です。ほぼ重なっていますが、モクレンの方がほんの少しだけ先に開花。そしてコブシの方が長く咲くのが特徴です。
まとめ
春の気配が濃くなる時期に、白い花を咲かせるモクレン(白木蓮)とコブシ。青空に白が映え、春の到来を実感させてくれます。
よく似ていますが、今回紹介した通り7つの違いがあります。コブシとモクレンの違いや見分け方を知れば、花を見上げる楽しみが増すことでしょう。
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