睡蓮と蓮5つの違い!葉の形や高さなど簡単な見分け方 ‎

睡蓮(スイレン)と蓮(ハス)は、水辺を優美に演出してくれる美しい花。池いっぱいに咲く光景を見たときに、「蓮?それとも睡蓮?」と迷った経験はありませんか?

もっとも分かりやすいのが葉の形。睡蓮の葉には切れ込みがあり、蓮にはありません。知っておくと役立つ、睡蓮と蓮の違いを5つお伝えします。

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睡蓮と蓮の違い(1)葉の形

睡蓮と蓮の違いで、もっとも分かりやすいのが「葉の形」です。

  • 睡蓮・・・・・・・葉に切れ込みが「ある」
  • 蓮・・・・・・・・・葉に切れ込みが「ない」

睡蓮も蓮もほぼ円形ですが、切れ込みの有無が違います。これが睡蓮の葉。どの葉を見ても、切れ込みが入っているのが分かりますよね。

一方の蓮の葉はこちら。睡蓮と違って、切れ込みがありません

睡蓮と蓮の違いで迷ったら、ぜひまずは葉の形をチェックしてみてくださいね。切れ込みがあれば睡蓮、なければ蓮です。

睡蓮と蓮の違い(2)葉の高さ

睡蓮と蓮の違いには、「葉の高さ」もあります。

  • 睡蓮・・・・・水面に広がる「浮き葉」のみ
  • 蓮・・・・・・・水面に広がる「浮き葉」+水面より高い「立ち葉」

つまり見分けるポイントは、「立ち葉がある?ない?」という点です。

こちらが睡蓮の葉。葉はすべて水面に浮いていますよね。これを「浮き葉」と言います。

一方、蓮の葉はこちら。睡蓮と違って、文字通り水面から立ち上がった「立ち葉」がありますよね。

このように水面からぐっと立ち上がる葉があれば、蓮だということ。睡蓮の葉はこんな風に立ち上がらないので、すぐに分かりますね。

ただし注意したいのが春先です。

蓮も春先は、睡蓮と同じく浮き葉だけ。まずは浮き葉を水面にたくさん茂らせて、その後で立ち葉を茂らせます。

春に睡蓮と蓮を見分けるなら、「葉の高さ+葉の形」をセットで確認してくださいね。

睡蓮と蓮の違い(3)花が咲く高さ

睡蓮と蓮は、花が咲く高さも違います。

  • 睡蓮・・・・・・・水面に浮かぶように咲く(熱帯性は例外)。
  • 蓮・・・・・・・・・水面より高い位置で咲く。

睡蓮は葉と同じく、水面で花を咲かせます。ところが蓮は、葉に負けじと花茎を伸ばし、高くそびえるように開花するのです。

睡蓮の花はこちら。水に浮かぶかのように咲きますよね。

一方の蓮はこちら。水面からそびえるように咲きます。

見比べてみると、咲く位置が異なるのがお分かりになるはずです。

花が咲く高さでも蓮と睡蓮を見分けることができますが、注意したいのが“熱帯スイレン”の場合です。

スイレンには大きく分けて「熱帯スイレン」「温帯スイレン」があります。

  • 温帯スイレン・・・フランスの画家・モネが愛した、優しい色合いの睡蓮。
  • 熱帯スイレン・・・青や紫色など花色多彩で、エキゾチックな雰囲気の睡蓮。

熱帯スイレンの場合は、花の咲く高さが違います。やや水面から飛び出すようにして花を咲かせるのです。

ただし葉の切れ込みを見れば、睡蓮だと分かります。ぜひ葉の形とセットで鑑賞してみてくださいね。

睡蓮と蓮の違い(4)葉の濡れ方

睡蓮と蓮の見分け方には、「葉の濡れ方」もあります。

  • 睡蓮・・・・・・・撥水性がなく、全体が濡れる
  • 蓮・・・・・・・・・撥水性があり、大きな水玉ができる。

睡蓮の葉には撥水性がありません。雨を受けると、葉全体が濡れます。

蓮の葉は、まるで防水加工を施してあるかのよう。雨がかかると水をはじき、大きな水玉ができます。

蓮の葉で光る水玉は、とても幻想的。雨の日に鑑賞する愉しみの一つと言えそうです。

睡蓮と蓮の違い(5)花の散り方

睡蓮と蓮の違い、最後は咲き終わった後の「花の散り方」です。

    • 睡蓮・・・・・・・閉じて水の中に沈む
    • 蓮・・・・・・・・・花びらが散り、花托/果托(かたく)が残る。

睡蓮は花期を終えると、ひっそり姿を消します。一方の蓮は、花びらが散っても花托/果托が残るのです。

花托とは、花びらやめしべをつける部分のこと。「花床」とも呼ばれます。花が散った直後は、このように鮮やかな緑色をしています。

そして次第に水分が飛び、乾燥しながら「果托」へと変わっていくのです。

フラワーショップや雑貨店、手芸用品店などで、果托のドライフラワーを見かけたことがある方も多いのでは?

深みのある色合いになった果托は、アンティークな雰囲気を漂わせます。茎付きのものがあれば、ガラスの花瓶にさすだけで、シックで落ち着いたインテリアになりますね。

まとめ

睡蓮と蓮の違いについて、5つの見分け方を紹介しました。池や公園などで見かけた場合、まずは葉をチェックしてみてくださいね。

睡蓮は、自宅の庭でも手軽に育てることができます。他の水草とも合わせてビオトープを作れば、涼やかな夏景色になりますね。