春に散歩していて「このコデマリに似た花は何?」と思った経験はありませんか?白い花がこんもり咲いて枝の感じも似ているけれど、ちょっと違う……。
そのコデマリに似た花は、ユキヤナギかシモツケ、ミツデイワガサかもしれません。それぞれの特徴や違い、見分け方などをお伝えします。
コデマリに似た花(1)ユキヤナギ(雪柳)
小手毬に似た花といえば、よく名前が挙がるのユキヤナギです。
コデマリとユキヤナギ。どちらも真っ白な小花が集まって咲く姿が優美。柔らかくしなる枝に動きがあり、春の枝物として人気です。
ちなみに両者ともバラ科シモツケ属で、同じ仲間です。だからよく似ていますが、ちゃんと違いはあります。
コデマリとユキヤナギの違い(1)花をつける部分
まずは花をつける部分が違います。
- コデマリ・・・・・・・・・主に枝先に花が咲く
- ユキヤナギ・・・・・・・株全体を覆うように咲く
たとえばコデマリはこんなかんじ。すーっと伸びた枝先に花が集中しています。
そしてユキヤナギはこんな感じ。なんと豪華な咲き姿でしょうか。
白い花が枝全体を埋め尽くし、まるで柳に雪が積もったかのよう。まさに雪柳。春風を受け、そよそよと揺れるさまも風情があります。
コデマリとユキヤナギの違い(2)咲く時期
次の違いは咲く時期です。
- コデマリ・・・・・・・・・4月~5月
- ユキヤナギ・・・・・・・3月~4月
つまり咲くのはユキヤナギが先。春の足音が聞こえ始める3月に開花します。
ユキヤナギと桜。その競演は、春の訪れを感じさせる光景です。
そしてユキヤナギが満開となり、桜も盛りを迎え、はらはらと舞い散る頃。ユキヤナギを追いかけるようにコデマリが咲き始めるのです。
コデマリが咲く時期は、そろそろ新緑が美しくなる頃。柔らかな春の光の中でツツジも咲き始め、季節は少しずつ初夏へと向かいます。
コデマリに似た花(2)シモツケ
コデマリに似た花、次はシモツケです。ピンクの花を見かけることが多いのですが、白い花もあり、コデマリによく似ています。
シモツケという名は、最初に発見された場所である下野(栃木県)に由来よるのだとか。名前の通り、コデマリと同じくバラ科シモツケ属の花です。
コデマリとシモツケの違いは咲く時期。
- コデマリ・・・・・・・・・4月~5月
- シモツケ・・・・・・・・・5月~6月
このようにコデマリが先に咲き、シモツケが追いかけるように咲きます。梅雨の時期に咲いていればシモツケと言えそうです。
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コデマリに似た花(3)ミツデイワガサ
あまり聞きなれない名前かもしれません。ミツデイワガサもコデマリに似た花を咲かせます。瓜二つだと思いませんか?
それもそのはず。ミツデイワガサもやはり、コデマリと同じバラ科シモツケ属。咲く時期もほぼ同時の4月~5月です。
コデマリとミツデイワガサの違い(1)葉の形
もっとも分かりやすい違いが葉の形です。
- コデマリ・・・・・・・・・・・ひし形に近い楕円形
- ミツデイワガサ・・・・・葉先が3つに分かれる
コデマリの葉はこんな感じ。ひし形のような楕円形をしています。
対してミツデイワガサの葉はこちら。
名前の通り、葉先が三つに分かれています。だから「三ツ手岩傘」と呼ばれるようになったそう。観葉植物のアジアンタムの葉を思わせる、愛らしい葉です。
コデマリとミツデイワガサの違い(2)成長スピード
成長スピードも両者の違いです。
- コデマリ・・・・・・・・・・・速い
- ミツデイワガサ・・・・・ゆっくり
コデマリは生育旺盛です。どんどん大きくなっていきます。一方のミツデイワガサはゆっくりタイプ。そのため鉢植えや盆栽でも楽しむことができます。
「庭にコデマリを植えたいけれど、もうスペースがない……」という方は、“ミニコデマリ”の感覚で、ミツデイワガサを愛でるのも良さそうですね。
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まとめ
コデマリに似た花には、ユキヤナギやシモツケ、ミツデイワガサなどがあります。それもそのはず全て「バラ科シモツケ属」に分類される仲間でした。
とはいえ、少しずつ咲く時期が異なったり、よく見ると葉の形が違ったり。違いを知れば、散歩でふと出会うのが楽しみになりそうです。