健気に咲く早春の花、スノードロップ。スノーフレークとの違いは?

冬の花壇は花も少なく、さみしくなりがち。ひと足早い春を感じるために、早春に咲く花スノードロップを植えてみては?雪解けの雫のように可愛らしい花姿が、春の訪れを知らせてくれます。

スノードロップと名前が似た花に、スノーフレークがあります。「どう違うの?」「スノードロップとスノーフレーク、どちらを植えよう?」という方のために、スノードロップとスノーフレークの違いもまとめました。

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冬の花壇を明るくする早春の花「スノードロップ」

四季折々の草花を愛でるのは、ガーデニングの愉しみの一つ。とはいえ冬の花壇は、花もリーフ類もおとなしめ。春が待ち遠しくなりますね。

冬の花壇は、時には氷点下になったり雪が降ったりと、植物にとって過酷な状況です。そんな中、冬の花壇で咲く花の一つがスノードロップです。

スノードロップは2月から3月ごろにかけて咲く、早春の花。和名では「待雪草」(マツユキソウ)と呼びます。

スノードロップはその名の通り、 “雪解けの雫”のよう。ピュアで可愛い姿が印象的ですね。そして、うつむくように咲く白い花は、まるで謙虚におじぎしているかのようにも見えます。

とても小さなスノードロップ。その姿からは想像できないぐらい潔く、凛とした空気の中で花茎をすっと伸ばします。

そして堂々と咲かせる一輪の花。その様子はまさに、春を告げる花。間もなく訪れる春を、小さなからだで懸命に告げてくれているかのようです。

群生させると愛らしさが際立ちます

スノードロップの草丈は10~20㎝ほど。コンパクトなサイズなので、株間を開けると寂しくなります。いくつかまとめて植えると、愛らしい群生になります。

スノードロップは、ヒガンバナ科の球根植物です。秋に球根を植えておけば冬に芽吹きます。そして早春に開花し、6月ごろから休眠に入ります。

枯れたように見えても、眠りについただけ。球根を掘り上げないようにしましょう。植えっぱなしで毎年美しい花を咲かせてくれます。

スノードロップが好む環境は、夏は日陰になり、晩秋から早春は日当たりの良い場所。落葉樹の下で育ててあげるといいですね。

スノードロップを育てるなら、もちろん球根を植えてもいいですし、冬以降なら苗を植えるという手もあります。

寒い冬に植え付けても、早春の花・スノードロップは寒さに耐えてくれます。水面に氷が張るような日も、スノードロップは本当に元気です。雪が降ってもめげません。

凍えるように寒い朝も花茎をすっと上げ、葉もしゃっきり。可憐な姿からは想像できないぐらいたくましく、そして清らかなのです。

我が家でもおぎはら植物園さんで購入したスノードロップの苗が、2月初旬から少しずつ花を咲かせています。

おぎはら植物園さんは、梱包がとにかく丁寧。ポット苗を新聞紙でくるんで防寒し、箱の中で動かないように固定してくれています。

サイトの説明文も分かりやすく丁寧で、何より植物への愛情が感じられて。信頼できるお店です。

スズランに似た花を咲かせる「スノーフレーク」

スノードロップと似た名前をもつスノーフレーク。まるでスズランのような釣鐘型の花をつけます。

スノードロップと同じく、うつむき加減で咲く姿が可憐です。

花先はフリル状になり、葉色に似た淡いグリーンのアクセントも。形といいディテールといい、チャーミングなポイントがぎゅっと詰まっています。

じっと見ていると、耳元で揺れるピアスのよう。そして、アンティークガラスのランプシェードのようにも見えてきます。見ればみるほど、愛しさが増す花です。

ちなみにスノーフレークは、和名で「鈴蘭水仙」と呼ばれます。その理由は、花姿がスズランに似て、細長い葉がスイセンに似ていることから。

スズランはコチラ。たしかに花の形がよく似ています。

花はよく似ているけれど、葉の形はまったく違います。すずらんの葉は広く、まるでチューリップの葉のようです。

ちなみにフランスでは、5月1日は「すずらん日」。大事な人にスズランを贈る風習があり、受け取った人に幸せが訪れると言われています。

フランスでは、5月1日は“すずらんの日”。大切な人にスズランを贈る習慣があり、贈られた人に幸せが訪れるという言い伝えがあるのだとか。 ...

スノーフレークの葉と似ているのがこちら、水仙です。葉がすっと伸びるかんじが似ていますね。

スズランのような丸みを帯びた愛らしい花姿、そして水仙の葉のような潔い立ち姿。愛らしさと潔さの両方を併せ持つのも、スノーフレークの魅力です。

スノードロップとスノーフレークの違い

名前も雰囲気もよく似ている、スノードロップとスノーフレーク。その主な違いは、「花の形」「開花時期」「草丈」の3つです。

スノードロップとスノーフレークの違い(1)花の形やつき方

まず、スノードロップとスノーフレークの違いとして挙げられるのが、花の形です。

  • スノードロップ・・・・・・3枚ずつの離れた長い花弁の中に、それぞれ短い花弁がある。
  • スノーフレーク・・・・・・スズランに似た釣鐘型の花。花びらの先はフリル状。

花びらがシャープに分かれるスノードロップは、清らかで神聖な雰囲気。一方のスノーフレークは丸みを帯び、どこか可愛い雰囲気ですね。

また、花のつき方も異なります。スノードロップは、一本の花茎に一つの花を咲かせます。

一方のスノーフレークは、一本の花茎に数個の花がつきます。

スノードロップとスノーフレーク、それぞれの可愛さがありますね。とても小さい花ですが、冬空の中で咲く様子には、存在感が感じられます。

スノードロップとスノーフレークの違い(2)開花時期

続いて、スノードロップとスノーフレークの違いとして挙げられるのが、花が咲く時期です。スノーフレークが開花するのは、スノードロップよりやや後。

  • スノードロップ・・・・・・2~3月
  • スノーフレーク・・・・・・3~4月

スノードロップが咲き終わる頃、スノーフレークが咲き始めるということですね。

スノーフレークが咲くころには、桜やチューリップなど春の花もお目見えします。そろそろ春本番です。

スノードロップからスノーフレークへ。その開花のリレーは、まるで春のバトンを渡しているかのよう……そう想うと、懸命に咲く花がますます愛しくなります。

スノードロップとスノーフレークの違い(3)草丈

もう一つ、スノードロップとスノーフレークの違いとして挙げられるのが草丈です。

  • スノードロップ・・・・・・10~20cm
  • スノーフレーク・・・・・・30~40cm

スノードロップは草丈がやや低め。一方のスノーフレークは30cm以上になるので、それなりのボリューム感が出ます。

花壇に植えるなら、背の高いスノーフレークは後ろに、そしてスノードロップは手前にしておきましょう。

なおスノーフレークも、ヒガンバナ科の球根植物です。秋に植えれば冬に芽吹き、春に花を咲かせます。

スノーフレークが育ちやすいのも、同じく落葉樹の下。植えっぱなしで毎年咲きます。枯れたから……と抜かず、夏の休眠中もそのままにしてあげてくださいね。

まとめ

スノードロップは、冬の花壇で咲く早春の花。寒さに負けず、健気に咲く姿に心惹かれます。一方、名前も雰囲気も似ているのがスノーフレーク。3月ごろから、スズランのような愛らしい花を咲かせます。

スノードロップやスノーフレークが咲けば、春はすぐそこ。懸命に咲く姿に春を知り、春の訪れを待ちわびるのも、冬のガーデニング愉しみの一つですね。