清楚な小花を密集させて咲くスイートアリッサムは、冬の寄せ植えの可愛い“まとめ役”。主役の花を引き立てながら、全体を品良くまとめてくれます。何より、スイートアリッサム自体がとても愛らしいのです。
冬の寄せ植えづくりを愉しむためにも、スイートアリッサムの魅力や、可愛さを生かす植え方などを知っておきたいものですね。
冬に咲く可愛い小花スイートアリッサム
小花が肩を寄せ合うようにたくさん咲き、こんもりと生い茂る姿が愛らしいスイートアリッサム。ガーデニング初心者でも冬に育てやすい花として、人気を集めています。
冬から春に咲く花・スイートアリッサムには、主役の花のような華やかさはありません。でも、冬の寄せ植えに欠かせない花の一つです。
スイートアリッサムは、いわば“まとめ役”。うまく使うことで他の草花の美しさを引き出し、全体のバランスも整えてくれます。
スイートアリッサムのシーズンは、冬から春。シーズンになれば園芸店に苗が並び、手頃な価格で手に入れることができます。ぜひ冬の寄せ植えで、存分に活用したいものですね。
育てるほどに愛しくなる!スイートアリッサム5つの魅力
スイートアリッサムを冬の寄せ植えで使っていて感じるのは、知れば知るほど魅了されるということ。その主な理由は次の5つです。
- 清楚な小花が可愛い
- どんな花とも合う
- 愛らしい花色が豊富
- ほんのり甘い香り
- 手がかからない
それぞれについて見てみましょう。
1. 清楚な小花が可愛い!
スイートアリッサムの魅力は、何と言っても清楚な小花の可愛さにあります。
風が吹くと、そよそよ繊細に揺れる小さく可憐な花は、まるで粉雪のよう。そして小花を密集させて咲くさまも、何ともまた心憎いのです。
スイートアリッサムがこんもり茂ると、ミニチュアの花束のよう。純粋な美しさを宿した姿に、つい見とれてしまいます。
清楚とはいえ存在感もあります。冬の寄せ植えの中で可憐に、そして品のよい存在感を主張してくれます。
2. どんな花とも合う!
スイートアリッサムは主張しすぎない小花なので、どんな花とも合います。特に、同じ時期に咲く冬の花、パンジーやビオラとの相性は抜群です。
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ふわりと花開くパンジーやビオラと、小花が密集するスイートアリッサム。合わせると、花姿のコントラストが生きた、バランスのいい冬の寄せ植えが完成します。
まずはパンジーやビオラと合わせてみる。すると、違う花とも合わせてみたくなる。どんどん愉しみ方が広がるのも、スイートアリッサムの魅力です。
3. 愛らしい花色がたくさんある!
よく見かける白いスイートアリッサムは、「カーペット・オブ・スノー」と呼ばれる品種です。“雪の絨毯”とは、風流な名前ですね!
実は、スイートアリッサムの花色は、白だけではありません。愛らしい花色の品種がそろうのも、スイートアリッサムの魅力の一つです。
たとえば、ピンクやパープルなど優しい色合いの「パステル・カーペット」。そして、黄色やアプリコットといった花を咲かせる「シュガー・コート」などの品種もあります。
私も優しい色合いのスイートアリッサムが大好きで、見かけるとついまとめて買ってしまいます。
どの色も愛らしい色合いなので、冬に咲くカラフルな花とよく合います。スイートアリッサム同士を合わせても、グラデーションが美しくて。冬の寄せ植えに、春を想わせる明るさを添えてくれます。
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スイートアリッサムといえば、白い花色が一般的です。でも、ぜひ花色の異なるスイートアリッサムも使ってみてください。ますますスイートアリッサムの可愛さのとりこになるはずです。
4. ほんのり甘い香り
ふわりと漂う甘い香りも、スイートアリッサムの魅力の一つです。
寄せ植えに顔を近づけると、濃厚な蜂蜜を想わせる、甘くて優しい香り。まさに“スイート”の名前の通り。春の野原にいるような気分になって、春が恋しくなります。
濃厚な蜂蜜と言っても、香りがあたりに充満するわけではありません。あくまで花の近くに濃密に漂うような……そんな控えめな香りもまた、小花ならではの奥ゆかしさです。
5. 手がかからない
あまり手がかからないのも、スイートアリッサムの魅力です。乾かし気味で大丈夫なので、ガーデニング初心者でも、安心して寄せ植えに使うことができます。
ただし、日当たりと植え付け、この2つだけは注意が必要です。詳しく見てみましょう。
1)なるべく日の当たる場所で育てる
まずは日当たりについて。日向が理想ですが、半日蔭でも育ちます。ただし、こんもりと茂らせるなら日向がおすすめです。
気をつけたいのが、鉢を半日蔭に置いているケース。たまには十分に日光浴させてあげてくださいね。きっと花や葉にも張りが戻り、元気になるはずです。
2)植え付けのとき、根は触らない!
次に、植え付けについて。スイートアリッサムは根がとても繊細です。ポット苗から出したら、根を崩さず、すばやく植え込んであげてください。
またあまりに寒い日に植え付けると、根に大きな負担がかかります。あまり寒くない日、できるだけ陽光が心地いい時間帯に植えてあげてくださいね。
スイートアリッサムの可愛さを生かすには?
冬の寄せ植えでスイートアリッサムの可愛さを生かすには、次の2つの場所がおすすめです。
- 鉢やプランターの縁
- 主役どうしのすき間
一つずつ詳しく見てみましょう。
1. 鉢やプランターの縁
スイートアリッサムを冬の寄せ植えに使うなら、まずは鉢やプランターの縁に使ってみてください。
スイートアリッサムは、ある程度の草丈になると、その後は枝垂れるように育ちます。鉢やプランターの縁に植えておくと、縁を隠しながら花を咲かせ、とてもナチュラルな美しさです。
2. 主役どうしのすき間
スイートアリッサムを冬の寄せ植えに使うなら、主役どうしのすき間もおすすめです。
寄せ植えで主役級の花だけを植えても、何だかうまくまとまりませんよね。色がうまくつながらなかったり、花姿が主張しすぎてバラバラだったり……。
そんな“すき間”で、スイートアリッサムは本領を発揮してくれます。メインとなる花の間に、スイートアリッサムをはさんでみましょう。
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ただしポイントは、あくまで“すき間を埋める”感覚です。
スイートアリッサム自体も可愛い花ですが、他の花を引き立てることが得意な控えめな花です。量を増やしすぎず、ほどよく使うことで、お互いの魅力がアップします。
増えたスイートアリッサム、その後はどうすればいい?
育てやすいスイートアリッサムは、次第にカーペット状に広がって、美しい小花の絨毯になります。ふと迷うのが春の終わりです。
そろそろパンジーやビオラなど、一緒に植えた花の見頃も終わり。でも、スイートアリッサムは鉢やプランターからこぼれんばかりに咲き、いたって元気。
「さてどうしよう、切り戻しておけばいいの?」などと考えますよね。
スイートアリッサムは、本来は多年草です。切り戻して夏の強い日光を避ければ、夏越しも可能です。でもなにぶん高温多湿が苦手。そのため、一年草として扱うことが一般的です。
もしも夏をまたいでスイートアリッサムを育てたいなら、スーパーアリッサムを選んでおきましょう。
スーパーアリッサムとは、アリッサムの品種改良によって生まれた、夏越しも可能な丈夫な品種です。ただしその分、生育が旺盛です。株姿を保つためにも、適宜切り戻してあげてくださいね。
ところで、アリッサムとスイートアリッサムの違いは?
スーパーアリッサムを紹介しましたが、スイートアリッサムは、しばしば「アリッサム」という名前で売られています。
「スイートアリッサムとアリッサムの違いは?」「別の花?それとも同じ花?」と気になっていました。
調べてみたところ、本来スイートアリッサムとアリッサムは別の花。少し専門的な話になってしまいますが、スイートアリッサムとアリッサムには、こんな違いがありました。
- アリッサム・・・・・・・・・・・・・・アブラナ科・アレチナズナ属(アリッサム属)
- スイートアリッサム・・・・・・アブラナ科・ニワナズナ属(ロブラリア属)
同じアブラナ科ではあるものの、少し異なるのですね。ただしまったく違うかというと、やはり似ています。共通するのは、どちらも「〇〇ナズナ属」だということです。
ナズナと言えば、そう!「せり、なずな、ごぎょう、はこべら……」と、春の七草でもおなじみの“ナズナ”です!ぺんぺん草といった方が、なじみ深いかもしれませんね。
たしかにスイートアリッサムとナズナを見比べると、花の雰囲気が似ています。大好きな花スイートアリッサムが、ナズナの仲間だったとは!
スイートアリッサムに惹かれるのは、幼い頃の幸せな春の光景を連想するからかも……ふとそんなことを想いました。これから野に咲くナズナを見るのが、愉しみになりそうです。
さて、話がそれたので、アリッサムとスイートアリッサムの違いに話を戻します。
アリッサムとスイートアリッサム、本来は別物です。ただし園芸店で「アリッサム」として売られているものも、多くの場合はスイートアリッサムなのだとか。
では、いわゆる「アリッサム」はどのようなものかと言うと……
正真正銘のアリッサム(Alyssum)の一つとしては、明るい黄色の花を咲かせるアリッサム・モンタナム(Alyssum montanum)が知られており、ロックガーデンに適します。
写真を見てみると、可憐なスイートアリッサムとはやや異なり、大らかで野趣に富んだ雰囲気の花。少し菜の花に似ているでしょうか?
ヨーロッパでは、ロックガーデンで育つ植物として一般的に知られているそうです。たしかに、岩肌の深い色合いや、荒々しくも静けさを感じる表情とよく合いそう。
一言でアリッサムといっても、雪の絨毯を想わせる真っ白なものや、優しく淡い色合いのもの、さらには岩肌が似合うものも。しかも慣れ親しんだナズナの仲間と知り、ますます恋しくなった次第です。
まとめ
清楚な花を密集させて咲かせるスイートアリッサムは、貴重な“まとめ役”です。
別記事「寄せ植えの作り方とコツ!初心者でも簡単!7つの基本まとめ」でも紹介している通り、まとめ役は寄せ植え全体を調和させる大事な存在。うまく使うことが、寄せ植え作りのコツの一つです。
最近では花色も豊富で、珍しい斑入りタイプの葉をもつスーパーアリッサムも登場しています。ぜひ鉢やプランターの縁、主役の花のすき間などで、可愛いスイートアリッサムを活用してみてくださいね。
コメント
アリッサムは、黄色い花しか咲きません。
スイートアリッサムをアリッサムと呼ぶのは、やめていただきたいと思います。
さんけいさま、はじめまして。
コメントに気付くのが大変遅くなり、失礼いたしました。
記事の内容、修正いたします。ご指摘ありがとうございます。
……と考えて記事を確認しましたが、
すべてスイートアリッサムと書いてあります。
他の記事に誤解を招く内容があったのでしょうか?
これより確認いたします。