宿根草とは?多年草との違いや読み方、7つの素朴な疑問解決

ガーデニングを始めると、ちらほら見かける“宿根草”という言葉。「宿根草とは?」「一体なんて読むの?」などと、気になる方も多いのでは?

宿根草の読み方は「しゅっこんそう」もしくは「しゅくこんそう」。一度植えると毎年咲き、年々大株に育つのも魅力です。宿根草と多年草の違いなど、宿根草にまつわる7つの素朴な疑問を、Q&A形式でまとめました。

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宿根草の読み方は?

疑問(1)宿根草の読み方は?
→「しゅっこんそう」と読みます。

まずは基本的な「宿根草」の読み方について。宿根草は「しゅっこんそう」と読みます。

初めて見たとき、お恥ずかしいことに「しゅくねそう?」と思ってしまいました。

園芸店に行くと、たとえばラベルに「宿根イベリス」などと書かれていますよね。意味は“イベリスの宿根草タイプ”。読み方は「しゅっこんイベリス」もしくは「しゅくこんイベリス」です。

宿根草とは?宿根草の意味は?

疑問(2)宿根草とは?宿根草の意味は?
→多年草の一種。生育に向かない時期は、地上部が枯れる。

宿根草は「多年草」の一種です。多年草の中で、育つことがむずかしい時期になると“いったん地上部が枯れる”ものを、宿根草と呼び分けています。

たとえば、春の終わりに可憐な花を咲かせるスズランは、夏から冬にかけては枯れた状態で過ごします。

でも、あくまで地上部が枯れているだけ。土の中で、ちゃんと根は生き残っています。その名の通り“根を宿(やど)している”のですね。

宿根草は、育つのに適した温度になると、再び芽吹きます。そしてぐんぐん成長し、花を咲かせてくれます。

宿根草と多年草との違いは?

疑問(3)多年草と宿根草の違いは?
→「枯れる時期がある」もしくは「ずっと枯れない」の違いです。

宿根草も「毎年花を咲かせる」という意味では多年草の仲間です。

では、多年草と宿根草の違いは何かというと、答えはシンプル。

  • 宿根草・・・・・生育期が終わると、いったん地上部が枯れる。
  • 多年草・・・・・年中枯れず、同じ姿を保つ。

そう、「枯れる」か「枯れない」かが、多年草と宿根草の違いなんです。

夏や冬は、植物にとって厳しい環境です。宿根草は地上部を枯らし、ある意味では“体力”を温存するのですね。

宿根草の魅力は?

疑問(4)宿根草の魅力は?
→毎年咲くので手間いらず!表情もナチュラルで、年々立派に育つ!

宿根草の魅力はさまざまです。主な魅力を3つ紹介します。

(1)毎年咲くので手間いらず!

宿根草の魅力は何といっても、一度植えると毎年咲いてくれること。植え替え不要で手間いらずというのは、宿根草の最大の魅力です。

カラフルな一年草も美しいのですが、常に美しい庭を保とうと思うと結構大変。

春には春の一年草を植え、夏を迎える頃には植え替えて……というサイクルを続けていると、「季節に追いかけられているみたい……」と感じることもあります。

花をお世話するのは、幸せなひととき。でも庭を愛でる時間も、たっぷりととりたいですよね。だからこそ、毎年咲く宿根草はぜひとも取り入れたい植物です。

(2)季節のナチュラルな表情が生まれる

季節の訪れと共に花を咲かせてくれるのも、宿根草のいいところ。庭に宿根草があると季節の移ろいを感じることができます。

たとえば寒さが緩み春を迎える頃、スノードロップが可憐な花を咲かせます。そして春には西洋オダマキが控えめに優美に咲き揃います。

宿根草は、花自身がもつ自然なリズムで咲いてくれます。だから表情がとてもナチュラルなのです。

毎年けなげに咲く宿根草が告げてくれる、季節の訪れ。ゆったりとした気持ちで愉しみたいものですね。

(3)年々広がったり大株に育ったり、立派になる!

宿根草は少しずつ大きくなり、年々広がったり大株になったりするのも魅力です。

たとえば、庭にたった2~3株植えただけのスズランも、数年経てばずいぶん広がります。芍薬(シャクヤク)も年々根を広げ、どんどん大株に育ちます。

時間と共に庭も育つ。そんな感覚が持てるのは、毎年花と出会える宿根草ならではですね。

宿根草メインの花壇は、冬さみしいのでは?

疑問(5)宿根草メインの花壇は、冬さみしいのでは?
→冬に咲く花を一緒に植えれば、さみしくなりません!

宿根草の多くは冬になると落葉し、枯れてしまいます。「どこに何が植わっているのか、まったく分からない」という状態です。

すると花壇から緑が消え、寒々しい雰囲気に……。冬になってすっぽり大きなスぺ―スが空かないようにするには“冬に咲く花”を一緒に植えることです。

日当たりのいい場所なら、別記事でも紹介している、パンジーやビオラ、ガーデンシクラメンなど。

冬に寄せ植えを作るなら、寒さに強い花を選ぶことがポイント。ガーデニング初心者でも育てやすいパンジーとビオラ、ガーデンシクラメンの3種がおすす...

花色もくっきりしているので、地上部が枯れて寂しくなった花壇を鮮やかに染めてくれます。

十分な日が当たらない半日陰なら、クリスマスローズがおすすめです。

“冬の貴婦人”との別名をもつクリスマスローズは、冬の寒空の下で気品ある花を咲かせてくれます。

冬にこそ元気に咲く花を上手に組み合わせて、花壇の季節感を演出したいものですね。

宿根草は植えっぱなしでいいの?

疑問(6)宿根草は植えっぱなしでいいの?
→「花がら摘み」「2~3年に一度の株分け」などが必要です。

宿根草は手間がかからず、ローメンテナンスの庭に欠かせません。とはいえ、本当の“植えっぱなし”にしておいていいわけではありません。

宿根草を美しく育てるためには、3つのポイントがあります。

(1)花が咲き終わったら“花がら摘み”を!

花が咲き終わったら、“花がら摘み”をしてあげましょう。花がら摘みとは、開花後も枯れて残った花びらなどを摘み取ることです。

花がらを摘まずに放置すると、種ができ、種を作るために体力を消耗します。花がらを摘んで、どんどん花が咲きやすいようにしてあげてくださいね。

また花が全部咲き終わったら、「美しい花を咲かせてくれてありがとう」という気持ちを込めて、“お礼肥”(お礼の肥料)をあげてくださいね。

きっと翌年も、シーズンを迎えるときれいな花を咲かせてくれるはずです。

(2)2~3年に一度は、植え替えや株分けを!

宿根を植えたままにすると、大きくなりすぎて“手付かずの庭”といった荒れた状態になってしまいます。2~3年に一度は植えたり株分けしたりして、整理してあげましょう。

株分けとはその名の通り、大きくなった株を分けること。植物を若返らせることができ、他の場所にも植えることができるので、一石二鳥です。

一つは同じ場所に戻し、もう一つは違う場所に。喜んでくれる方がいるなら、同じく花が好きな方にプレゼントするという方法もあります。

ちなみに、宿根草の株分けに適した時期は「冬」です。休眠している間に株分けして、翌年に備えさせてあげてくださいね。

(3)寿命の短い宿根草は、早めに“増やす”対策を!

宿根草は何年にもわたって花を咲かせる植物です。

ただし、別記事「優美であでやか、西洋オダマキ22種類!人気シリーズや品種を紹介」でもと取り上げている西洋オダマキのように、3~4年で寿命を迎える宿根草もあります。

せっかく育てた大事な花です。「花後にできた種をとっておいて植える」「株分けする」など、早めに“新しい株”を作ってあげてくださいね。

枯れている間のお手入れは?水やりは必要?

疑問(7)枯れている間のお手入れは?水やりは必要?
→土が乾いたら、水やりをしてあげましょう。

地上部が消えている間、毎日水やりをする必要はありません。でも土が乾いていたら、水やりはしてあげましょう。

他の花の水やりをするときに、土が乾いていないか、チェックしてあげてくださいね。

宿根草は冬になると地上部が消え、存在感がなくなります。一体どこに植えてあったのか、芽吹くまで分からない……なんてことも。

とはいえ、土の中に根は残って、春に芽を出すための準備を進めています。春に向けての準備ができるよう、必要な水を届けてあげましょう。

まとめ

毎年花を咲かせてくれる宿根草は、手間いらずのありがたい存在です。花がら摘みや2~3年に一度の株分けをすれば、どんどん成長してくれます。

なお、一年草と多年草をうまく生かした庭づくりのコツは、別記事で紹介しています。ぜひ併せてご覧くださいね。

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