「3号鉢って何センチ?5号はどんな大きさ?」「一回り大きな鉢ってどれ?」など、植木鉢のサイズが分からず困った経験はありませんか?
実は「1号=3cm」という号数の決まりさえ覚えておけば、とても簡単!もう植え替えの鉢選びやネットショップでの買い物にも困りません。植木鉢のサイズと選び方について紹介します。
号数の基本!植木鉢のサイズは「1号=3cm」
植木鉢のサイズは「号」という単位で表されます。覚えておきたいのが「1号=直径約3cm」。正確には3.03cmですが、3cmで計算すれば大丈夫です。
1号増えるごとに、直径は3cmずつ大きくなっていきます。2号サイズの植木鉢なら6cm、3号サイズなら9cmといった具合です。「1号=3cm」という基本さえ覚えておけば、とても簡単ですね!
園芸店に並ぶ花苗のポットは、3号サイズがほとんど。直径9cmということです。
逆に、直径が分かれば号数が分かります。直径15cmの植木鉢があれば、5号鉢ということです。
ちなみに号数で大きさを表すのは、基本的に丸型の植木鉢のみです。角形の鉢やプランターの場合は、号数は使いません。「〇cm×〇cm×〇cm」など寸法が書かれているのが一般的です。
では、ここで一つ問題。素焼き鉢のように厚みがある丸鉢の場合、直径はどこからどこを測ればいいのでしょうか?縁も長さに含めるのでしょうか?それとも内側だけを測るのでしょうか?
正解は「縁も含めて測る」です。厚みがある場合、縁の外側から外側までの「外寸」を測りましょう。
植木鉢の大きさを表す単位として、「寸」という単位が使われることもあります。号と寸は同じ。5号鉢も5寸鉢も同じ大きさです。5号ポットとも呼ばれます。
「一回り大きな鉢」とは?
よく「一回り大きな鉢に植替えましょう」という表現を見かけますよね。「一回り大きな鉢」という表現は「1号(もしくは2号)大きな鉢」という意味です。
たとえば、手元の植木鉢が15cmなら5号鉢です。「そろそろ大きくなってきたから植え替えよう」と思うなら、6号もしくは7号の植木鉢を選べばいいのです。
植え替え用の鉢を買いに行く前に、いまの号数を確かめておきましょう。
鉢の直径を知るために重宝するのが自分の手。指をいっぱい広げてみてください。親指から小指まではおよそ20cmなんです。さしやメジャーがなくても、長さを知る目安になりますよね。
たとえば私は17cmなので「指を広げると6号サイズ」とざっくり覚えています。個人差がありますので、一度測っておくと便利です。
植木鉢サイズごとの主な用途
植木鉢のサイズごとに、適した用途があります。植木鉢のサイズと主な用途を表にまとめると、こうなります。
分類 | 号数 (号) | 直径 (cm) | 主な用途 |
特小 | 1 | 3 | 小さな多肉植物 |
2 | 6 | ||
小 | 3 | 9 | 草花1株 多肉植物の寄せ植え |
4 | 12 | ||
5 | 15 | ||
中 | 6 | 18 | 草花2~3株 小さな花木 ハーブの寄せ植え |
7 | 21 | ||
8 | 24 | ||
大 | 9 | 27 | 草花の寄せ植え 花木 |
10 | 30 | ||
11 | 33 | ||
特大 | 12 | 36 | 大きな花木 |
「小さなものは小さな鉢に、大きなものは大きめの鉢に」植えるのが理想です。ちょうどいいサイズの植木鉢を選んであげましょう。
(1)1~2号(特小)
1号や2号はかなりミニサイズ。小さな多肉植物向きです。
やはり小さい植物には、小さい植木鉢が似合います。色違いの鉢を用意して、いくつか並べても可愛いですよね。
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(2)3~5号(小)
草花を1株だけ植えるなら、3~5号の植木鉢に植えましょう。
3~5号は手のひらサイズ。多肉植物の寄せ植えにも使えます。
3~5号は、季節の花苗を植えるのに、何かと重宝するサイズです。気に入ったデザインの植木鉢があれば、色違いでストックしておくと便利です。
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(3)6~8号(中)
6~8号になると、草花を2~3株植えられます。
6~8号は、小さめの花木にも使いやすい植木鉢です。紫陽花の鉢植えも5号サイズが多いですよね。
ハーブの寄せ植えにもぴったりのサイズ感ですし、葉物を茂らせても見ごたえがあります。
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(4)9~11号(大)
草花を寄せ植えにするなら、9~11号の大サイズにしましょう。
たくさん花を植えられるので、見ごたえがあります。そしてこのサイズなら、少し大きめの花木も植えられます。
ただし大きくなると、その分重たくなります。土を入れるとなおさら重くなってしまいます。移動しやすさを考えて、軽量タイプとして人気があるファイバーグラス製の植木鉢を選んでおくと安心です。
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(5)12号以上(特大)
花木が大きく育ってきたら、12号以上の特大サイズがおすすめです。
たとえば紫陽花。年々大株になっていきます。株の大きさに合うように植え替えてあげましょう。
ファイバーグラス製が軽くて便利ですが、やはり素焼き鉢のほうが似合う場合もあります。場所を移動しないのであれば、軽量タイプにこだわる必要はありません。見た目重視で選ぶと、印象的な風景をつくることができますね。
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植え替えのポイント!植木鉢サイズの上手な選び方
植木鉢を買うのは、植え替えのタイミングでしょう。たとえば「園芸店で買ってきた苗を植え替える」「自宅で育てている花木が大きくなってきたので植え替える」といったケースが多いのでは?
植え替える際に知っておきたい、植木鉢サイズの上手な選び方を紹介します。
植木鉢サイズの選び方(1)あくまで「1号ずつ」大きく!
植え替え用の鉢は、ひと回り大きなものを選びましょう。
4号鉢なら次は5号鉢に、5号鉢なら次は6号鉢に。1号ずつ大きくしていくのが、植え替えを成功させるポイントです。
園芸店で買ってきたばかりの苗も、小さめのポットに植えられていることがほとんど。元気に成長させるためには、一回り大きな鉢に植え替えてあげるのが理想です。
ここでふと思い浮かぶのが、こんな疑問。「なぜ、いきなり大きい鉢に植え替えてはダメなの?」と思ってしまいませんか?
大は小を兼ねるはず。一気に大きい鉢にサイズアップすれば、植え替えの手間も省けます。何度も植え替える必要がありません。
しかも「地植え」はいわば、大きな鉢に植えるのと同じ。地植えだと大きく育つのですから、大きな鉢に植えたほうが良さそうなもの……。
考えれば考えるほど不思議ですよね。なぜ、一気に大きな鉢に植え替えるのはダメなのでしょうか?
1号ずつ大きくするのは、もちろん意味があります。少しずつ大きくしたほうが良い理由を3つ紹介します。
(1)見た目のバランスを整えるため
まずは見た目のバランスの問題。株のサイズに対して、あまりに大きな植木鉢だとアンバランスです。あまり見栄えがよくありません。
逆に園芸店で売られている鉢植えは、少し小さめの鉢に植えられています。そのほうが株が大きく見えるからですね!
窮屈な鉢では、のびのびと成長できません。一回りだけ鉢のサイズを上げると、バランスもよく成長にも好都合です。
(2)根腐れを防ぐため
大きすぎる鉢に植えると、根にも良くありません。根腐れする可能性があるからです。
大きい鉢だと、“表面はカラカラ、でも鉢の中はいつまでジメジメ”ということが多々あります。そうすると根っこが常に湿ったまま。根腐れを起こしかねません。
地植えなら水分はうまく抜けていきます。でも鉢だとそうはいきませんよね。特に、通気性の良くないプラスチック鉢の場合、湿気もこもりがちです。
根腐れを防ぐためにも、大きすぎる鉢は避けたほうが良いでしょう。
(3)根張りを良くするため
さらに、もう一つ。少しずつサイズを大きくしたほうが、根の成長にもいいのです。
根は鉢の壁にぶつかると、そこで枝分かれする性質があります。どんどん広がることで、丈夫に育っていきます。
急に鉢を大きくすると、なかなか鉢にぶつかりません。するとひょろひょろとした、ただ長いだけの根になってしまいます。だから、植木鉢は1号ずつ大きくするぐらいが、ちょうど良いのですね。
植木鉢サイズの選び方(2)適切な「深さ」のものを選ぶ
植え替えで鉢を選ぶときは、深さにも気を配りましょう。
植木鉢には、大きく分けて「普通鉢」「深鉢」「平鉢」の3つのタイプがあります。育てる草花によって、適した植木鉢の深さが違うのです。
◆普通鉢(スタンダード鉢)
普通鉢は、直径と高さが同じぐらいの鉢のことです。
一般的に植木鉢というと、このタイプを指します。ほとんどの植物は、普通鉢を選んでおけば間違いありません。
◆深鉢
深鉢は、縦長タイプの植木鉢のこと。直径より鉢の深さのほうが大きく、根が下へ下へと伸びるような “直根性”の植物向きです。
チューリップやヒヤシンス、ヒマワリなどは直根性の植物です。深鉢に植えてあげましょう。
◆浅鉢(平鉢・半鉢)
浅鉢は、平べったいタイプの植木鉢のこと。鉢の高さより直径のほうが大きく、根が浅く広がる植物向きです。
サツキや草花の寄せ植え、小さな球根のまとめ植えなどに活躍します。
まとめ
知らなければ良く分からない植木鉢のサイズも、「1号=3cm」という決まりを覚えておけば簡単です。「見た目で植木鉢を買って帰ったら、意外と小さかった!」なんてことも避けられます。
植え替えるときは、一回り大きな植木鉢を選びましょう。お気に入りのデザインをサイズ違いで揃えておけば、統一感が出るのでおすすめです。
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