スズランの季節は4月から6月です。花期を迎えたすずらんの名所やすずらん畑は、瑞々しい緑と清楚な白で染まり、涼しげで透明感ある香りに包まれます。
スズランが花咲く春から初夏は、行楽にぴったりの季節。清々しい香りが満ちる、すずらんの花畑に出かけてみてはいかがですか?「すずらんの見られる場所は?」とお探しの方のために、全国のすずらんの名所を8か所紹介します。
※情報は全て記事掲載時のものです。お出かけの際は、事前に最新情報をご確認ください。
スズランの季節は4~6月!
スズランの季節は、春から初夏へと移り変わる4月〜6月です。スズランは古くから、ヨーロッパで“春を告げる花”として愛されてきました。
ちなみに日本でよく見かけるスズランは、丈夫なドイツスズランが主流です。日本原産のスズランは冷涼地向け。北海道や東北、年中涼やかな環境を保てる限られた場所でのみ育ちます。
日本スズランは別名「君影草」とも呼ばれ、大きな葉に隠れて咲く控えめな姿が魅力です。一方のドイツスズランは、葉が広く花つきも良く、香り豊かなスズランです。
日本スズランとドイツスズラン、それぞれに魅力があります。両方を見ればますますスズランに魅了されそうですね。
見頃の時期は花畑へ!全国のすずらん名所
日本全国に、スズランが自生する場所や、スズランを群生させた公園などがあります。
多い場所ではなんと、260万本ものスズランが咲き溢れます。中には、日本スズランとドイツスズランの両方が鑑賞できる場所もあります。
一度は訪れたいすずらんの名所を、東日本と西日本に分けて8か所紹介します。
※各所の説明で使用している画像は、すべてイメージ写真です。
※場所や開花状況などについては、公式ホームページなどで事前にご確認ください。
すずらんの名所【東日本】
まずは、東日本のすずらん名所を紹介します。
「芽生(めむ)すずらん群生地」は、その広さ約15ヘクタール。東京ドームおよそ3個分にも及び、群生地としては日本最大の広さを誇ります。
敷地内には、白樺の木立に囲まれた観賞用の小径があり、散策しながらすずらんが咲き溢れる姿を見ることができます。
なお、すずらんを鑑賞することができるのは、毎年5月下旬~6月中旬のおよそ1か月のみ。一般公開の時期が決まっているので、事前にチェックしてからお出かけくださいね。
(参考)平取町オフィシャルサイト「芽生すずらん群生地」
(参考)平取町観光協会「すずらん群生地」
「滝野すずらん丘陵公園」は、丘陵地帯に約400ヘクタールの敷地面積を誇る国営公園です。東京ドームに換算すれば、なんと約85個分。いかに広いかが分かりますね!
園内の「カントリーガーデン」は、北海道の田園風景を再現したエリア。四季折々の木々や草花が植えられています。
白樺の林内には「スズランの小径」があり、5万株もの花が咲き溢れます。木立を吹き抜ける春風がスズランの香りを漂わせ、爽やかな心地へと誘ってくれそうですね。
(参考)国営滝野すずらん丘陵公園オフィシャルウェブサイト「花を楽しもう」
「富士見パノラマリゾート」では、日本スズランとドイツスズランの両方を見ることができます。
入笠すずらん山野草公園では、約20万本ものドイツスズランが開花します。そして入笠湿原では、約100万本もの日本スズランの群生を鑑賞することができます。
それぞれ開花時期がずれるので、両方を一緒に見るなら6月上旬が目安です。事前に開花状況を確認した上で、お出かけくださいね。
(参考)富士見パノラマリゾート「120万本のすずらん祭り」
(参考)富士見パノラマリゾート「春のみどころ」
「芦川(あしかわ)のすずらん群生地」は、標高約1300m、天然の白樺林や山野草が広がる森の中にあります。
2.6ヘクタールの敷地内には、約260万本の日本スズランが群生しています。貴重な日本スズランがこれほど群生しているのは珍しく、山梨県の自然記念物にも指定されています。
群生地内は遊歩道が整備されており、1周20分ほど。森の中をゆったりと歩きながら、スズランの清楚な美しさを愛でたいものですね。
(参考)富士の国やまなし観光ネット 山梨県公式観光情報「芦川のすずらん群生地」
「うるし塚スズラン公園」は、1996年「ぎふスズラン国体」開催を記念して造られた公園です。園内では約1万3千株ものドイツスズランが開花します。
場所は、JR高山駅から車で約30分。5月中旬に飛騨高山へと旅するなら、ぜひ足を伸ばしてみたいものですね。
(参考)高山市公式ホームページ「すずらん公園」
(参考)岐阜県公式ホームページ「自然の醍醐味」
すずらんの名所【西日本】
続いて、西日本のすずらん名所を紹介します。
「吐山(はやま)スズラン群落」は、寒地性のスズランが自生する南限地です。日本スズランが群生する貴重な場所として、国の天然記念物にも指定されています。
標高が高く涼やかな土地柄、古来この地にはスズランが自生していたのだとか。近くにある「香酔峠(こうずいとうげ)」の名も、芳香に酔いしれて……という風流な言い伝えに由来するそうです。
「男鹿山(おじかやま)すずらん群生地」も、奈良の吐山スズラン群落とほぼ同緯度に位置し、日本の自生スズラン南限地として注目を集めています。
男鹿山すずらん群生地があるのは、玄武岩から成る男鹿山の北側斜面。ひっそりと咲くすずらんの群生は、県天然記念物に指定されています。
(参考)広島県教育委員会公式ホームページ「広島県の文化財 – 男鹿山スズラン南限地」
「波野すずらん自生地」(阿蘇市スズラン自生地公園)は、九州で自生スズランと出会える貴重な場所です。
波野すずらん自生地は、標高約800mの高原地帯。スズランの季節を迎えると、約5万株のスズランが開花します。
(参考)熊本県総合博物館ネットワーク・ポータルサイト「スズラン自生地」
(参考)阿蘇市公式ホームページ「花のみどころ」
まとめ
すずらんの白とグリーンは、どこか初夏を思わせる爽やかな色合い。透明感のある香りも、気持ちを調えてくれそうですね。
ドイツスズランは、自宅でも育てることができます。落葉樹の株元などに植えておけば、毎年愛らしい花を咲かせてくれます。
白い花をつけるすずらんですが、ほんのり桃色に染まる愛らしい「ピンクスズラン」もあります。珍しい花色のスズランは、5月1日「すずらんの日」の贈り物にも良さそうですね。